収用制度は、どんなまちづくりに活用されているの?
限られた土地を社会全体で有効活用していくために
土地収用法は、その目的として、「国土の適正かつ合理的な利用に寄与すること」が掲げられています。
任意での用地取得が難しい場合には、慎重な手続きである土地収用の手続を経た上で、道路や鉄道など、都民・都内で事業活動を営む法人の都市活動に必要なインフラの整備を進めていくことになります。
東京都収用委員会は、事業認定手続等により公益性があると判断されている案件の申請について、公正中立な第三者機関として、円滑な委員会審議に努めています。
それにより、権利者のみなさまへの適正な補償の判断をする一方で、早期の事業実現につなげていくことで、限られた土地を社会全体で有効活用していくことができるのです。
制度を活用した実績
実際、どのような事業の実施のために収用申請がされてきたのか、具体的にご紹介します。
1. 道路事業
東京都収用委員会が取り扱う案件のうち、約8割が道路事業です。
道路拡幅等により、渋滞緩和や歩道整備による安全な歩行空間の形成など、都民生活の質の向上に役立てられています。
《事業実施前》 | 《事業実施後》 |
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2. 鉄道連続立体交差事業
鉄道の連続立体交差事業は、交通渋滞の解消や分断されている街の一体化のため、積極的に推進されている施策の一つです。
【事業効果】
京急電鉄蒲田駅付近立体交差事業の場合
・環八の踏切が無くなり、踏切による交通渋滞(最大710メートル)が解消
・環八で自動車の平均走行速度が約2割向上
・環八付近の生活道路で自動車交通量が約6割減少
・環八の交通渋滞が改善されたと約8割のドライバーが効果を実感
・線路の反対側へ早くいけるようになったと約9割の歩行者が効果を実感
~東京都建設局 報道発表より~
3. 三環状道路整備事業
三環状道路の整備事業は、首都圏を支える幹線道路ネットワークの整備であり、重要な施策の一つです。
【事業効果】
圏央道八王子ジャンクションの場合
・圏央道利用交通の増加
・圏央道を利用する交通の約5割が中央道~関越道を連続利用しています
・放射道路をつなぐ環状道路機能が約5倍
・圏央道に並行する一般道の交通量が減少
~東日本高速道路株式会社のホームページより~
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